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2009年8月

2009年8月31日 (月)

アートサイト直島(2)

直島の「地中美術館」より、どちらかというと「家プロジェクト」のほうが印象深く、感動も大きかった。それは典型的な瀬戸内の島の集落(瓦屋根、古い板壁、細い路地・・)を迷いながら歩くという体験がポイントだと思う。看板もなにもないのに、道を曲がったらふっとその現場に出会ってしまう、というような、思いがけない出会いの繰り返し。とくに印象深かったのは「角屋」という、私の好きな宮島達男というアーティストの作品(どんな作品かは、やはり「直島・家プロジェクト レポート」)を参照)。ちょうどこの「角屋」の薄暗い室内に入ったところ、一匹の三毛猫が裏口(戸は開けっ放し)からまっすぐこっちへ入ってきた。三毛猫は、ここは自分の家だというようにずんずん奥に入って行き、作品として作られた“座敷にある大きな四角い池”の周囲の縁側みたいなところを歩き、一番奥の一番いい場所で、ぴちゃぴちゃと水を飲み始めた・・。ここはちょうどいい水飲み場だったのかー。それからしばらくのんびりして、縁側のところに座っている私の足に無理やり体をこすりつけ(これって猫の挨拶?)、その隣りの人の足にも、その向こうの人の足にも、体をこすりながら去っていった。猫好きな人には最高のアクシデントだったろう(私は嫌いだけど)
それから「護王神社」。すこし石段を上ったりするので、杖使いの私はどうかと思ったけど、せっかくなので行くことにした。が、行ってみて、大正解だった!!この、ガラス(氷にも見える)の階段をもった不思議な神社は、それだけでも充分に面白い作品なのに、じつはその地下に入れる横穴があるのだ。これも案内表示のひとつもないので、現場で気づいた人しか気づかない(私は偶然に、母が気づいてくれたため入ることができた)その地下空間は古墳の石室に似ていて、あまりに狭いので、ボランティアスタッフがいて1組ずつの入場制限をしている。しばらく行列に並んだ後、私と両親の3人だけで懐中電灯を手にしてギリギリ1人しか通れない隙間から中に入ってみると、その奥に2畳くらいの部屋がある。そこにはなんと、あの神社のガラスの階段の、地下へのつづきがあったのだ! 地上の光がうっすらと差して、それは恐ろしいような神さびた空間だった。なんとも口でうまく説明できない、実際にあの場所へ行った人にしかわからない感覚。こういうセンスはさすがにすばらしい。
「家プロジェクト」は完全予約制の作品もあり、また入場制限&長蛇の列で見学をあきらめた作品もあるので、次回はもっと空いた時期に予約してから行ってみたいと思う。こんな小さな小さな島に、こんなハイレベルな作品群と、お盆だというのに何時間も外に立って案内するボランティアスタッフたち(その多くは地元の高齢者)、そういう出来事と、偶然の出会い、すべてが感動的だった。ほんとうにありがとう!

2009年8月25日 (火)

アートサイト直島(1)

お盆休みに、香川県の直島に行ってきた。ずいぶん前から一度行ってみたいと思ってた、安藤忠雄設計の「地中美術館」と、古い民家をインスタレーション作品にした「家プロジェクト」(詳細→直島・家プロジェクト レポート)。これに「ベネッセハウス」という美術館をまとめて、「ベネッセ アートサイト直島」という呼び方をされてるので、そっちのほうが有名かも。お盆休みということもあって、直島に渡る船に乗る時点から、長蛇の列!!かなり早めに港にいって順番待ちをしたので目指すフェリーには乗れたけど、もし事前リサーチなく港に行ってたら、島に渡れなかったかも。さらに直島についてからも、地中美術館に直行して受付に滑り込んだと思ったのに、前庭の駐車場はいっぱい。遠くの駐車場まで停めにいって、そこからシャトルバスで戻ってくださいって。美術館内に入るのも入場制限。大きな待ち合いテントに100人くらいが待ってて、整理券をもらった人だけ30分きざみの入場時間が書かれた入場券を買う。毎回、待ち合いテントがいっぱいになるくらい集まってたので、30分ごとに100人くらいが順次入場していくような具合。それでようやく美術館内に入ったと思ったら、今度は作品のある部屋ごとに細かく入場制限・・・。こんな小さな島なのに、大都会のような行列攻撃だ。全身白い服装のスタッフ(みんな若い男女)が、朝から晩まで人員整理に明け暮れてる様子だった。なんだか異様なかんじもしたけど(全身白い人たちの宗教団体ってあったよね・・)対応は丁寧で親切だったし、この大勢がよく教育されてるなーと感心してしまった。それとびっくりしたのは、展示されている作品が少ないこと。4名の作家がそれぞれ部屋をわけるように、独自の空間をつくり上げている。この行列攻撃がない時期に行ったら、きっとさらに、異空間を味わえるんだろうなー。あとでC子さんにきいたら(アート関係者のC子さんはもちろん、この美術館が完成間もない時期にすでに視察済み)安藤忠雄のこの建築は、地表の木々が育ってすべてを覆い尽くし、地中に埋まってる美術館の構造が全部見えなくなったときに完成する、という構想だって。
美術館の受付棟から美術館入口までは、色とりどりの花が咲く、せせらぎの小径になっている。モネの作品に出てくる草花を植えてるらしい。とても美しい小径だけど、バーゲン会場のような大行列(笑)で、なんかちょっと・・・これだけは残念な感じだった。

2009年8月 6日 (木)

雨団扇

200908011128000久々の「邦楽ノート」は原点に返って、畳敷の部屋で長唄の古典曲。お客様も満員でちょっと暑かったけど、和楽器の生音と長唄は、涼しく美しかったなぁー。何の奇をてらうこともなく、こういうシンプルな企画は必ず人の心を打つと思う。ところで今回、私の元師匠でもある太喜之丞先生が、雨音を出すのに使う「雨団扇」を持ってこられてて、私の目はくぎ付けになった!!かわいい!!実物を見るのは私も初めて。この演奏方法は、通常、舞台の大道具さん(演奏家ではなくて)が一枚ずつを両手に持ち、ビーズのついた面を上にして、フライパンを振るような要領でザラザラザラザラ・・・と音を出す。ただし左右を違うスピードで揺すらないと、雨音にきこえない。そういう微妙なところがすてき〜。世の中には、「雨団扇づくりワークショップ」というのもあるそうな(使い道はなさそうだから、飾り用?)次回の邦楽ノートでは、さらに笛のゲストを迎えて、笛の美しい長唄の曲を選んでくださるとのこと。10/3(土)も、すてきな“江戸時間”をおたのしみに。
さて、気がつけば今日は8/6、平和公園は朝から晩まで何の騒ぎかというくらいの人だかり。今朝は早めに家を出て、大回りして出勤したので被害は少なかったけど、帰宅するときはポツポツ雨が降ってるのに人ごみで自転車のスピードが出せず、ひと苦労だった。そういえば昨年は昼間から大音量のステージイベントで仕事に集中できなかったのに、周辺のオフィスから相当苦情が出たのか、今年はわりと静かで助かった。8/6に平和の曲とか歌いたい人は、できれば広島ではなく、別の都市でやってくれるといいのにね。そのほうが啓発になるし。広島ではもう、これ以上必要ないと思うんだけど・・・。
それより、明日は厳島神社管絃祭!!(旧暦の6/17に行われるので、たまたま今年は8/7になった)8/6に平和公園の原爆慰霊碑でお祈りして、翌日、厳島神社に参拝して管絃祭を見るなんて最高の広島ツアーやね! または、明日の午前中だったか、平和公園と中国新聞社の間を流れる「本川」という川を、美しく飾った「江波の漕伝馬船」が江波から上ってくる。そこで一旦休憩し、そのまま宮島まで、人力で漕いでいくのだ。あの漕伝馬船だけでも川岸から見物するのはおすすめだ(そういう情報をきちんとつかんで旅行してる人はどのくらいいるんだろう?)あれほどすばらしい管絃祭という祭りが、原爆忌にかくれてかすんでしまってるのが残念で仕方ない。